耳鼻科　岡山県岡山市南区のみやはら耳鼻咽喉科　中耳炎専門サイト

急性中耳炎が治らず、耳だれが出続けたり、耳の奥の薄い膜（鼓膜といいます）に穴があきっぱなしになる中耳炎です。

以前と比べ抗生物質（ばい菌をやっつける薬）が進歩したりして慢性中耳炎の患者さんは減っていますが、まだ治療が必要にも関わらず、放置されている方がおられます。

難聴や耳だれがおこります。耳鳴りもおこることがあります。耳だれを放置しておくと耳の神経が障害され、難聴がひどくなり生活に支障をきたすこともあります。この難聴は治すのが難しい傾向があります。鼓膜に穴があいているので、プールに入ったりしたときに耳の神経に冷たい水が直接かかって、耳の神経がびっくりしてめまいをおこすことがあります。

急性中耳炎や滲出性中耳炎から起きていることが多く、経過が長いので、まずは耳の中が乾いた状態になるように耳の中をきれいにしていきます。

ただし、耳だれが止まらないようなら難聴の進行を防ぐためにも手術を受けた方が良い場合もあります。

治療の大事なこと：耳だれが出ているのを「痛くないから」と放っておくと、難聴がすすみ生活に支障をきたすことがあります。この難聴は治すのが難しいので、耳が湿っていたりしたら、早めに耳鼻科を受診してみましょう。

なお、慢性中耳炎と関連した特殊な中耳炎もあります。それは癒着性（ゆちゃくせい）中耳炎や真珠腫性（しんじゅしゅせい）中耳炎です。

滲出性中耳炎がながびくとおこる中耳炎として癒着性中耳炎や真珠腫性中耳炎があります。この２つの中耳炎について以下に説明します。

（１）癒着性中耳炎

滲出性中耳炎で鼓膜がへこんで、耳の奥の骨に鼓膜がくっつく中耳炎です。他の中耳炎と違い難聴は目立たず、耳だれも出ず、耳も痛くないのですが、鼓膜が耳の奥の骨とくっついて離れなくなると完全に治すことが難しくなります。特に気をつけなければいけないのは、この癒着性中耳炎が悪化するとよりやっかいな真珠腫性中耳炎になることがある点です。

（２）真珠腫性中耳炎

宝石の真珠みたいな塊（これを真珠腫といいます）が耳の奥にできる中耳炎です。慢性中耳炎や癒着性中耳炎が悪化してできる場合と生まれつきできている場合（先天性）があります。

この中耳炎が怖いのは、この塊が耳の骨を壊したり、時には大事な神経も壊したりすることです。
脳の方まで進んでいくと時には命にもかかわることがあります。

また、バランスを感じる神経（三半規管（さんはんきかん））を壊すとめまいが、聞こえの神経（蝸牛（かぎゅう））を壊すと難聴が、顔を動かす神経（顔面神経）を壊すと顔面神経麻痺をおこしたりします。
「癒着性中耳炎」や「真珠腫性中耳炎」といわれ、特に困ってないので耳鼻科へ行っていない方は病気が進んでいないか定期的に耳鼻科を受診しましょう。